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『有力なオスのトラとナマケグマが戦う』
一月のある日の午後、インドのマハーラーシュトラ州のチャンドラプル県にあるタドバ・アンダーリ・トラ保護区(州で最も古く大きい国立公園)で、野生生物写真家のHakimuddin Saifyがナマケグマ(性別等は不明)の食事の様子を撮影していた。
すると、そこにKhaliと名付けられた現地でも有力な大人のオスのベンガルトラが現れ、ナマケグマを奇襲した。
撮影者は、Khaliの不意打ちによってクマが仕留められたと思ったが、驚く事にクマは生きていた。
不意打ちを受けたクマはしばらくの間は何が起こったのかわからない状態であったが、直ぐに平静さを取り戻し敢然と反撃を試みた。
戦いでは怒ったクマが主導権を握ったので、トラは徐々に後退する事になった。
撮影者によれば、両者が視界から消えるまでクマは大きな声を上げて、爪でトラを攻撃し続けていた。
※画像は上記サイトより引用。
(感想)もし今回の事例においてトラの奇襲が完璧に成功していたら、両者の圧倒的な体格差などから常識的に判断してクマは簡単に仕留められていたと思う。
しかし、楽に相手を仕留め得る手段である奇襲が成功しなかったので、2018年の3月の「有名な母グマとオスのトラの戦い」のように両者がお互いに相手を認識した状態で戦う事になった。
上記画像や体重に関する研究資料等から判断して、恐らく両者の体重差は優に2倍以上はあっただろうが、記事に書いてある通りの理由(クマの気迫と爪の攻撃)からトラが攻めあぐねたのだと思う。
因みに、著名なナマケグマの研究者の論文にも、「ナマケグマはその強力な爪と牙でトラに重傷を与え得るし、戦いでトラを負傷させたり追い払った事例がある」と記されている。
"There have been instances when tigers have been injured or chased away by sloth bears or both withdrew during such close encounters (Joshi et al. 1999, personal observations)."
etheses.saurashtrauniversity.edu
しかしながら、(記事内でも指摘されている通り)戦っているトラは大人のオスのトラ、しかも現地でも有数の強力な個体なので、両者が視界から消えた後もナマケグマが優勢な状態を維持し得たかどうかは不明(撮影者にもわからない)。
実際、幾つかの研究資料においても「ベンガルトラがナマケグマを仕留めたと考え得る事例」が報告されている。
※ナマケグマの年齢、性別等の詳細が必ずしも明らかでない事に加えて、屍骸漁りの可能性もある。
例えば、下記研究では、1100サンプルのトラの排泄物の中にナマケグマが1例含まれていた(1/1100)。
また、647サンプルのトラの排泄物の中の2例がナマケグマであったとする研究もある(2/647)。
※そのほかにも、トラがナマケグマを殺したと考え得る事例は報告されている。
但し、これらの報告にもかかわらず、「ナマケグマはシカ等とは異なりトラの一般的な獲物ではない」と主張されている。
"The presence of sloth bear hair in tiger scats is likely to be a result of occasional tiger predation on this species since sloth bears do not form a regular prey base for tigers."
※Khaliとナマケグマが戦った事例は、下記の2018年の3月に鮮明な動画で記録された「子連れのメスのナマケグマとオスのベンガルトラの15分間に及ぶ戦い」とは全く別のもの。
https://game123.exblog.jp/238373120/
『ナマケグマの体格など』
殆どのナマケグマはインドとスリランカに生息しているが、バングラディシュ、ネパール、ブータンからも報告がある。
長さ150-190cm、オスは80-140kg、メスは55-95kgの範囲。
食料は、シロアリ、その他の昆虫、果物など。
(1)インドでは、110頭のナマケグマ(オス60頭、メス50頭)の平均体重は、93.3kg(オス)、83.2kg(メス)であった。
※個体の殆どは成獣(3歳超)だが、一部に亜成獣(10頭)を含んでいる(100/110頭が成獣)。
論文には、両者の体重に大差が無かったのでこれらを一括して扱ったと記されている。
(2)ネパールでは、成獣の平均体重は114kg(オス)、95kg(メス)。
(3)スリランカでは、75kg(オス)、58kg(メス)。
『ベンガルトラの体格など』
ベンガルトラの体重は180-258kg(オス)、100-160kg(メス)。
尾を含めた体の長さは、2.7-3.1m(オス)、2.4-2.65m(メス)。
分布はインド、ネパール、バングラデシュなど。
ベンガルトラはトラの亜種で最大の個体数を有する。
※アムールトラのデータ(306kg等)は、野生個体だけではなく飼育されていた個体のデータが多く含まれているとの専門家の指摘がある。
但し、餌等に制限のある野生とは異なり飼育環境ではアムールトラがかなり大きくなり得る事は示唆しているという。
因みに、最近は野生のベンガルトラとアムールトラは類似の体格であると主張する有力な専門家が多い(特に多数のアムールトラを実際に測定した研究者や団体)。
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